| 第70回原子力安全委員会 資料第3-1号 |
| 1.アクシデントマネジメント(AM)についての経緯 |
(1)電気事業者によるAMの自主的な整備を推奨する原子力安全委員会決定(平成4年5月)
(2)AM整備に関する通商産業省の指示(平成4年7月)
(3)電気事業者によるAM整備方針の決定、報告(平成6年3月)
(4)通商産業省から原子力安全委員会へ検討結果を報告(平成6年10月)
(5)電気事業者によるAM整備及び有効性評価完了の報告(平成14年5月)
| 2.AM報告書の確認・評価方法 |
(1)AMワーキンググループ
@原子力運転管理・防災小委の下部に「AMワーキンググループ(平成13年4月)」を設置(P15参照)
A電気事業者が作成したAM整備等報告書及び(財)原子力発電技術機構原子力安全か移籍所に委託した評価結果について審議
(2)AM整備の基本要件の確認(P24〜32参照)
AMの実効性を確保する観点から以下の基本要件に対する評価を原子力安全解析所に委託。併せてAM整備の有効性についてPSAによる評価を委託。
@AMの実施体制 A施設・設備類
B知識ベースの整備 C通信設備
C教育・訓練等
当院は、ワーキンググループでの審議結果を参考としつつ又、委託作業結果について報告を受け、評価結果をまとめた。
(3)AM整備による既存の安全設備への影響評価
以下の指針、基準に対する適合性等について確認(P67,68参照)
(1)発電用軽水型原子炉施設に関する安全設計審査指針
(2)発電用軽水型原子炉施設の安全評価に関する審査指針
(3)発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針
| 3.AM報告書の確認・評価内容 |
・AMの実施体制に関すること(P57,58参照)
@中央制御室の運転員を支援する支援組織が用意されていること
A運転員を支援する組織と緊急時対策組織との関係が明確であること
B支援組織の役割分担、責任者及びAM策実施の意思決定者が明確であること
| (2)施設・設備類(P59〜61参照) |
@支援組織の居室が中央制御室以外の近くに確保されていること
AAMを実施するために必要な手順書類が用意されていること
B計測品及び機器がAM時の環境条件に耐える仕様であること
C外部との連絡を取るための通信連絡設備が準備されていること
D原子炉施設内での作業、防護活動に必要な防護服、放射線モニタ類が準備されていること
(3)知識ベースの整備(手順書類の整備)(P63、64参照)
@適切なAM策が選択できるよう、あらかじめ有効かつ適切と考えられる措置の手順書が用意されていること
A必要となる情報の種類及びその入手方法、判断基準に対する技術的根拠が整理され知識ベースとして纏められていること
Bプラント状態及び放射能放出予測が可能であること
CAMを実施した際に注意すべきプラントの応答、パラメータ変化の傾向予測が知識ベースとして手順書類に整理されていること
(4)通信連絡(国、自治体への通報連絡等)
@外部との情報交換、指導、助言等を受ける為の通信手段があること
A情報の収集、送受信等において混乱が生じないよう、情報の一元管理及び広報に関する体制が整備されていること
(5)教育(運転員、支援組織要因に対する教育等の実施)
(P65,66参照)
@シビアアクシデント時のプラント挙動に関する知識の向上を図ること
A関連する要員の役割に応じて、定期的に知識ベースの理解向上に資する教育を行うこと
・AMの有効性に関する評価
(1)原子力発電所の原子炉型式、格納容器形式によるタイプ別代表炉に分類して評価(P71,72参照)
BWR型原子炉施設
| タイプA: | Mark-T型格納容器を有するBWR2/3型炉 |
| タイプB: | Mark-T型格納容器を有するBWR4型炉 |
| タイプC: | Mark-T改良型、Mark-U、Mark-U改良型格納容器を有するBWR5型炉 |
| タイプD: | 鉄筋コンクリート製格納容器(RCCV)を有するABWR型炉 |
| タイプA: | ドライ型鋼製格納容器を有する2ループ炉 |
| タイプB: | ドライ型鋼製格納容器を有する3ループ炉 |
| タイプC: | アイスコンデンサ型鋼製格納容器を有する4ループ炉 |
| タイプD: | ドライ型プレストレストコンクリート製格納容器を有する4ループ炉 |
(2)評価手法について
@炉心の健全性に関するレベル1PSA
(財)原子力安全協会発行の「確率論的安全評価(PSA)実施手段に関する調査検討-レベル1PSA、内的事象-」(平成4年7月発行)
A格納容器の健全性に関するレベル2PSA
(財)原子力安全教会発行の「確率論的安全評価(PSA)に関する調査検討-レベル2PSA、内的事象-」(平成5年10月発行)
(3)シビアアクシデント事象心的解析で使用した計算コード
@電気事業者は米国EPRI(電力研究所)が所有するMAAPコードをしよう
A原子力安全解析所は米国NRC(原子力規制委員会)が所有するMELCORコードを一部改良して使用
(4)機器故障関連データ
@国内でのデータが整備(非常用ディーゼル発電機等)されているものについては、国内のデータを採用
それ以外の故障データについては、
A機械品については、米国LER(NUREG/CE-1205、NUREG/CR-2728、WASH-1400)
B電気品については、IEEE Std-500
(5)有効性評価結果
原子力安全解析所において独立に電気事業者が整備したAMの有効性を評価した結果、炉心損傷頻度及び 格納容器破損頻度ともにほぼ同様な低減効果が得られていることを確認
| 4.結論 |
(1)AM設備により、原子力発電施設の安全性向上に有効である。(P73,74参照)
@炉心損傷頻度:約10-6/炉年 以下
A格納容器破損頻度:約10-7/炉年 以下
(2)AMの実効性確保の観点から、AM設備が有効に活用できる。
(3)AM策の向上
国内外における安全性研究等によりAMに関する有効な知見が得られた場合には、適切に知識ベースへ反映させることが重要である。