| 第5回原子力委員会 資料第3号 |
| 1.はじめに |
| 2.事故調査委員会後の現在までの作業の結果 |
(2)敷地内の従業員等の実測線量の見直しと推定線量(別添2)
JCOから科学技術庁に対する事故報告の第3報(平成12年1月31日付)により、敷地内の従業員等の実測に基づく線量(以下、「実測線量」という。)の見直しと推定線量について、次の内容の報告がなされた。
(A)水抜き作業とホウ酸水注入に従事した者の実測線量
@作業内容:
水抜き作業とホウ酸水注入に従事した者の実測線量については、事故調査委員会に対して、ホールボディ・カウンタによる実測線量として実効線量当量の暫定値と線量計による実測線量として1cm線量当量の値が報告されていた。今般、ホールボディ・カウンタの値について、核燃料サイクル開発機構の技術的支援を得て詳細な再評価を行い、線量計による実測線量について実効線量棟梁に換算して算出した。
A対象者:
水抜き作業に従事した18名とホウ酸水注入に従事した6名。
B結果:
下記3(3)の第2表に示す通りである。
(B)事故時に敷地内にいたその他のJCO従業者等の実測線量
@作業内容:
(A)に属さず、また事故発生時に作業に従事していた3名を除く、事故時に敷地内にいたその他のJCO従事者等の実測線量については、事故調査委員会に対して、ホールボディ・カウンタによる実効線量当量の暫定値が報告されていたが、同様に詳細な再評価を行なって見直した。
また、フィルムバッジと線量計の実測線量を用いて実効線量当量を評価した。
A対象者:
ホールボディ・カウンタで実測された36名、フィルムバッジで実測された12名、線量計で実測された3名の合計から、実測が重複する2名を除いた49名。なお、フィルムバッジを着用していた者の数が、その後のJCOの調査により22名から12名に訂正された。
B結果:
下記3(3)の第3表に示す通りである。
(C)敷地内にいたJCO従業員等の推定線量
@作業内容:
敷地内にいたJCO従業員等で何らの実測もなされなかった者については、上記(1)の周辺住民等の個人の線量と同様に、核燃料サイクル機構の技術的支援により作成された敷地内の場の線量評価とJCOが亜一子した個人の行動調査から線量が推定された。この推定作業は、JCOが核燃料サイクル機構や日本原子力研究所の技術的支援を得て実施した。
A対象者:
96名。
B結果:
下記3(3)の第6表に示す通りである。
(3)その他
対策本部において、核燃料サイクル開発機構の協力を得て、防災業務関係者の実測線量及び周辺住民等の実測線量におけるホールボディ・カウンタによる実効線量当量の暫定値について詳細な再評価を行なって見直した。
その結果は、それぞれ下記の3(3)の第4表と第5表に示す通りである。
| 3.人への線量の全体像 |
(1)確定的影響が発生する又は発生するおそれのある線量
この線量の該当者は、事故発生時に作業に従事していたJCOの3名である。
第1表 確定的影響が発生する又は発生するおそれのある線量
| 作業者 | 線量(グレイ・イクイバレント) |
| A | 16〜20 |
| B | 6.0〜10 |
| C | 1〜4.5 |
(2)確定的な影響が発生する又は発生するおそれのある線量ではないが、50ミリシーベルト*以上の線量
この線量については、JCO従業員等、防災業務関係者や周辺住民等を含めて、該当者はない。
*「50ミリシーベルト(臓器線量当量)以下の線量では、がんの過剰な発生の確率は極めて小さく、統計的にがんによる過剰死亡は検出されていない。」(健康管理検討委員会の「中間とりまとめ」)
(3)上記以外の線量
この線量では、確率的影響の発生の可能性は極めて小さく、影響を検出することはできないと考えられる。
(A)実測線量
@水抜き作業とホウ酸水注入に従事したJCO従業員等の実測線量対象となった24名の状況は、次の通り。
第2表 水抜き作業とホウ酸水注入に従事したJCO従業員等の実測線量
| 実測線量(ミリシーベルト) | 人数 |
| 0以上5未満 | 7 |
| 5以上10未満 | 1 |
| 10以上15未満 | 3 |
| 15以上20未満 | 4 |
| 20以上25未満 | 5 |
| 25以上30未満 | 1 |
| 30以上35未満 | 0 |
| 35以上40未満 | 0 |
| 40以上45未満 | 1 |
| 45以上50未満 | 2 |
| 計 | 24 |
| 実測線量(ミリシーベルト) | 人数 |
| 0以上5未満 | 24 |
| 5以上10未満 | 11 |
| 10以上15未満 | 3 |
| 15以上20未満 | 5 |
| 20以上25未満 | 3 |
| 25以上30未満 | 0 |
| 30以上35未満 | 2 |
| 35以上40未満 | 0 |
| 40以上55未満 | 0 |
| 45以上50未満 | 1 |
| 計 | 49 |
| 実測線量 (ミリシーベルト) | 政府関係機関職員 (人数) | 消防署員 (人数) | 計 |
| 0以上5未満 | 53 | 1 | 54 |
| 5以上10未満 | 4 | 2 | 6 |
| 計 | 57 | 3 | 60 |
| 推定線量(ミリシーベルト) | 人数 |
| 0以上5未満 | 92 |
| 5以上10未満 | 3 |
| 10以上15未満 | 0 |
| 15以上20未満 | 1 |
| 計 | 96 |
| 推定線量 (ミリシーベルト) | 東海村住民(人数) (周辺事業所勤務者を除く) | 那珂町住民(人数) | 周辺事業所で勤務 していた者(人数) | 計 |
| 0以上5未満 (うち、1以上5未満) | 78(36) | 24(0) | 78(56) | 180(92) |
| 5以上10未満 | 7 | 0 | 8 | 15 |
| 10以上15未満 | 4 | 0 | 0 | 4 |
| 15以上20未満 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| 20以上25未満 | 1 | 0 | 0 | 1 |
| 計(うち、1以上) | 90(48) | 24(0) | 86(64) | 200(112) |
| 4.まとめと今後の健康管理の取組み |
(2)今後の健康管理の取組み
(A)周辺住民等
科学技術庁としては、健康管理検討委員会の「中間とりまとめ」の考え方に従い、地元自治体とも連携・協力を図りつつ、次のように周辺住民等の健康管理に取り組んでいくこととしている。
@健康診断
茨城県の協力を得て、年1回、独自に健康診断の機会を作る。
対象者は、線量の推定値が1ミリシーベルト以上の者、又は避難要請区域内に居住又は勤務されている者で、健康診断の受信を希望する者。
年1回の健康診断は、本年春(4月を目途)に実施する予定。
A健康相談・心のケア
健康相談等については、これまでも実施してきたところであるが、本年2月以降についても、希望する全ての者を対象に、住民相談窓口における健康相談及び心のケア相談(電話相談)を実施して行く予定。
(B)JCO敷地内
JCO敷地内において事故・臨界終息作業等により、被ばくした労働者の長期的健康管理については、労働省に設置された「東海村ウラン燃料加工施設事故に係る被ばく労働者の健康管理のあり方に関する検討会」で検討されているところである。
影響の発生する最小線量、すなわち「しきい線量」が存在する影響を確定的影響という。これに対して、影響の発生に「しきい線量」がないと考えられている影響を確率的栄養という。発がん及び遺伝的影響以外の放射線健康影響は、すべて確定的影響である。